セイコーの1970年代後半のデジタル時計です。本体からベルトにかけて黒いラインを1本通したデザインがカッコイイモデルです。かつてSYD MEADさんがデザインしたアナログ時計のESSENCE(こちらでご紹介)を彷彿とさせます。このモデルも以前に出版した国産デジタルの本(こちら)に掲載し損なったていたモデルで、最近入手したものになります。程度はそこそこですが機能的には完動し、黒いラインの塗料のはげもほとんど無く安かったので入手しました。
上段で曜日を常時表示しており、右上のボタンプッシュで秒表示を日にち表示に切り替える事ができます。1/100クロノグラフとカウントダウンタイマーを搭載しており、右下のボタンを押すとライトが点灯します。
また、時刻修正は右中央のスイッチを「引いて」 修正モードに入り、上下のプッシュボタンで合わせるという、セイコーの初代デジタル06LC以降のアナログ時計的な所作が引き継がれています。
しかしこの黒いズバッと走らせた線がカッコイイです。
黒い線はおそらく本体側は凹面にした線の部分に最後に黒の色入れ、ベルト部は一回全て黒く塗装し、その後シルバーのトップ面だけを切削して黒い線を出しているかと思われます。
ですので、ベルト背面も黒く塗装されているのですが、最近の真空蒸着等と違い、かなり剥げてきています。また、よく見るとこのベルトは中央の1段厚くなっている箇所の中にメッシュベルトが通っており、ベルトのコマの連結をそのメッシュベルトで行っています。これはひとえに外観側の黒い線のディティールを活かす為に、ベルトのコマの連結を極力シンプルに(連結用のコマ等や構造を外観に出さない様に)したかったからでしょうね。
腕に巻いた状態。やはりどうもシドミードさんっぽさを感じます。昔のスケッチでこんなデザインがあった様な。。。
当時の広告です。カラバリはこの様な白モデルもありました。一緒に写っている他の2本も所有してますが、まだ当サイトにアップしてませんね。。そのうちアップしたいと思います。やはりこの頃のセイコーデジタルは元気でカッコイイです。
最後に、最近買った国産デジタルと。左はシチズンのクロストロンアラーム(こちらでご紹介)、右はセイコーの前に4つボタンのあるモデル(こちらでご紹介)です。なんだか最近目の向く方向が原点回帰してきていますw
以上、セイコーの70年代のデジタル時計のご紹介でした。(2024.3.9.)