昔出版したAntique & Modern DIGITAL WATCHについて

1997年に出版した本についてアップします。これは1997年に、今は亡き立風書房さんから出版された、国産初期デジタル時計という非常にニッチなジャンルに特化した、ほぼA4サイズオールカラー130ページのムック本「アンティーク アンド モダンデジタルウォッチ」です。当時私と某アンティークウオッチショップのオーナーのSさんとで「私たちの所有物でほぼ国産デジタルは集まるので、そのうちまとめた本とか出したいね」と話していたところ、当時取材で立風書房さんがSさんのショップに来ていて話を出したところ盛り上がり、一気に出版までこぎつけた本になります。

以下、本の中味を少しご紹介。掲載している時計は国産初のデジタル時計のセイコーの06LCを始めとし、80年代のテレビ時計、腕コン系〜90年代スプーンのあたりまでのエポックメイキングな国産デジタル時計をほぼ全て網羅しています。今回掲載本数を初めて数えてみたら、国産デジタルだけで127本掲載していました。 ジャンルがあまりにニッチなだけに、今だにここまで国産デジタル時計に特化して集めた時計の本は出てきませんね。(トータルの掲載本数は後に紹介している海外LED, LCDモデル、おもちゃな時計も合わせて203本でした。)

下は06LCの紹介ページ。マイルストーン的な時計は見開きで左に原寸の3面、右に1面使った拡大写真としています。今みるとインパクトのあるページ構成ですねw

他の時計はこんな感じ。その他初代デジアナや初代カシオトロン、UC-2000、テレビ時計なども同等の扱いです。

その他はこんな感じでジャンル別に分けてひたすら国産デジタルを掲載しています。解説文は基本私とSさんの解説(音声)を元にライターの方に書き起こして頂いたのですが、これが全く時計の知識の無い方で、、、かなり苦労しました。今見ると全文書き直したいです。

パルサーが流行り始めた頃だったので、後半には海外のデジタル時計もついでに数ページ掲載しました。

最後の方には全て私の所有物によるおもちゃな時計も数ページ掲載。私的にはこちらのページの方が遥かに力が入ってました。(下の画像プラス数ページあります。)こちらのページは時計のセレクト、エディトリアル、解説等全て私です。ミッキーなどのキャラクター時計を集めたコレクター本はいくつか出てますが、時刻表示のないものも含めた、腕に巻くおもちゃ的な時計を集めた本は今だに無いかと思われます。当サイトでも本当はこれらの時計をより多く掲載したいところですが、中々時間が取れません。。私的には最近この手のおもちゃな時計の出現がめっきり減ってきてしまってるのが残念です。

時計の紹介以外のページでは液晶の仕組みや各メーカーへのインタビュー等も掲載していますが、そのあたりは出版社の方にお任せでした。

で、ここからは本邦初公開かと思われます。コロナで在宅中に家の片付けをしていたら出てきた、この本のページ構成を考えていた時のまとめたものです。当初、表紙の私によるデザイン案はこんな(下の画像左)でした。フォトショップもまだ3.0あたりでざっくりと作ったものですが、これをベースに出版社にデザインをお願いしたところ、05LCAを使うあたりは撮影も立ち合い、ほぼそのままになったのですが、右の様なすごいタイトルを入れられてしまい、出来上がってしまいました。私のタイトルの入れ方も仮とはいえ(出版社にも担当デザイナーの方もいたので、あまりやりすぎない様にしてはいましたが)、想像を超越したすごいタイトルロゴを入れられてしまいました。修正は強く要望したのですが、残念なことにこのまま出版されてしまいました。

表紙のその他のデザイン案。白ベースにしたものと、国産(05LCA)、海外(Chrono-Quartz)、トイ系(PEZ)を表紙にした案。

全てのページレイアウトは私がこんなのを描いてました。

おもちゃなページも。普通に会社に通勤しながら帰りに出版社に打ち合わせに行ったり、撮影立ち会ったり、家でこんなレイアウトひたすら考えたりと、掲載本数もかなりあったので、結構大変でした。

本が完成し、本屋に並んだ時は嬉しかったですね。非常にマニアックな本でしたが、そこそこ売れてくれた様です。全ページPDF化して頒布等したいところではあるのですが、消滅した出版社の本とはいえ自炊は私的利用まででしょうね。

で、この本の出版後、タイミング的にギリギリ掲載出来なかった時計(シンクローナ)の入手や、この本はデジタル時計に絞っていたので、当時アナログな時計も多々所有していたので、そのあたりの紹介もしたいなと思い、この本の補完+続編的な感じで発売の翌年の1998年に始めたホームページがここのUTDESIGN.netの元となる「ANTIQUE & MODERN WRIST WATCH」でした。(本のタイトルのDIGITAL WATCHをWRIST WATCHに変更してホームページタイトルにしました。)下の画像が当時のサイトのスクショです。ご存知の方はいらっしゃいますかね^ ^? 今見るとすごく怪しいですね。本名そのまま出してましたし。ブラウザーはNetscape、サイト自体はこの頃はまだhtmlをシンプルテキストにベタ打ちで作ってました。

当時まさかこんなページを20年以上続けるとは思ってもいませんでしたが、気持ち的には当時とあまり変わってない感じです。逆に当時は時計を探す手段と言ったら地方の街の時計屋を廻るとか、アンティークウオッチショップに行くとか、松屋等のアンティークウオッチフェアに行くとか、海外からはせいぜいショップオーナーが海外に買い付けに行く時にお願いするとか、ヘンリーズのオークションで代理入札をしてもらう位でしたが、今はebay、ヤフオクなどネット経由での検索、購入ができる様になり、時計を探す手段は格段に増えて、楽になり、しかもオークションだと格安で入手できることもあるなど、そういった「モノ」をコレクションしていくには良い方向への環境の変化がここまで継続させてきている様な気がします。きっとこれからも環境の変化になじみながら続けていくんでしょうね^ ^・・・以上、昔出版した時計の本のご紹介でした。

2023.12.9.追記・・・こちらに中国のライフスタイル誌MILK MAGAZINEにこの本を紹介して頂いたことをアップしていますので、宜しければ併せてご覧下さい。

 

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