LANDERON / ELECTRIC 4751

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1960年代初頭に発売された電磁テンプ時計です。ブランド表記がないので、一応この時計のムーブを作ったLANDERONの、としておきます。LANDERONはカム式の廉価版クロノムーブ等、機械式時計のムーブを多々作っていたのですが、当時はこの様なエレキな時計のムーブも作っていました。このモデルはスイス初のエレキ時計であるLANDERON4750にハック機能(リューズを引いて秒針を止める機能)を追加した4751ムーブメントを搭載しています。このムーブを使用した時計はいくつかのブランドから販売されたのですが、このモデルにブランド表記がないのが謎です。ランデロンが直に販売していたモデル、などという事もあるのでしょうか??

文字板はご覧の様にエレキ感溢れるビリビリしたインデックスバーでカッコイイです。ケース、リューズはステンのシルバーですが、インデックスバーと針は金色です。

秒針の後端はイナズマ型をしていますが、時針分針はアールデコっぽい形状をしています。

しかしこの時計に使用されている4751ムーブの製造はたった半年程だった様です。

6時位置にあるElectricの文字もカッコイイです。Eが赤でイナズマ型をしています。

文字板拡大。秒針後端のイナズマ型はひかえめな形です。

ケースは意外とボリュームがあります。リューズには格子状のスリットが彫られています。

背面です。中央に大きな電池蓋がありますが、開閉の為の溝の幅が狭めで日本の硬貨では回せず、そういった時は画像のSWATCHの工具が役に立ちます。

ムーブ拡大。12石の様です。秒針を物理的に強制停止する為のレバーがテンプの上に伸びてます。

Pieter Doensenさんの本に掲載されているかなり近いモデル。イナズマ型のインデックスバーではありませんが針の形、6時位置のElectricの表記が同じです。

しかし、外観は裏蓋以外は非常に程度が良く、今からほぼ60年も前の製品には見えない綺麗さです。

いい感じに撮影出来たカット。金のインデックスバーと針がキラーンと反射した状態。

腕に巻いた状態。カッコイイです。

所有するエレキビリビリ文字板系の時計を並べてみました。左、Hamilton-Ricoh、中央はこのLanderon、右はlipの電磁テンプ時計。年代的には中央のこのモデルがおそらく1961年かと思われ、左右のHamilton-Ricohとlipのものがおそらく1962年です。このLanderonの4751ムーブがたった半年で製造中止になったのはより薄く低価格になったこのlipのムーブR148が発売されたからの様です。

ハミルトン・リコーのモデルとのツーショット。どちらもエレキ感の推しが強いです、

最後にもう一度斜視で。

以上、メーカー不詳な電磁テンプ時計のご紹介でした。(2021.4.9.)

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