1974年に58,000円で発売されたシチズンの初期クオーツ時計のクリストロンです。(シチズンさんのサイトでの紹介はこちら)12時位置に小さいLEDがあり、それを使用した電子帰零装置を持つモデルです。パキパキとした面構成でとてもモダンな造形をしています。
文字板拡大でLEDが光った状態。LEDは毎0秒時に1回光ります。秒針の先端は水色なのがまたシチズンらいしいです。8時位置の電子帰零装置ボタンを押すと正時に対して-30秒以内の遅れ場合は0秒にチチチッと即移動し、+29秒以内で進んでいた場合は、例えば5秒進んでいたらボタンを押した時に秒針はそこで停止し、架空の秒針であるLEDの点滅が5秒まで1秒ごとに光り、6秒になったところで秒針が動き始めるという、エレキな帰零装置になっています。このLEDはバッテリー残量表示も兼ねており、電池残量が少なくなるとLEDは光らなくなります。
インスタにアップした電子帰零装置の操作してる様の動画です。
・秒針が遅れてた時(この場合は5秒)、8時位置のボタンを押すと即秒針が0にリセットし、LEDがピコッと光る。
・秒針が進んでた時(この場合は5秒)に押すと秒針はそこで待機し、LEDの架空秒針が5秒数え、6秒後から秒針が動き出す
…を一度に操作してます。
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反対側面から。文字板6時位置にはQUARTZとありますが、大抵ここにはCRYSTRON表記があります。初期モデルはこうだったのか?詳細は不明です。
本体はそれなりに厚みがあります。
ベルトもオリジナルで、昔、街の時計屋で売れ残っていたものを買ったものです。電池を入れたのも今回久しぶりでした。
背面です。電池蓋がありますので、スクリューバックではなく、外周のリングを回転させて閉めるタイプです。
前回こちらにアップした、メカ式の時報合わせ装置のある電磁テンプのコスモトロンスペシャルと。クリストロンは秒針の修正だけで時、分針の修正はできません。
ついでに、その他のシチズンのエレキな時計黎明期なモデルと並べてみました。左から、電磁テンプのコスモトロンスペシャル、音叉時計のハイソニック、今回ご紹介してますクリストロン、世界初のソーラー時計のクリストロンソーラーセル、年差±5秒のクリストロン4メガ、です。年代は左から古い順です。
しかしまぁ、ソーラー以外はぱっと見は普通の時計ですね。
以上、シチズンの電子帰零装置を持つクオーツ時計のスリストロンのご紹介でした。(2021.7.6.)