CITIZEN / CRYSTRON 4MEGA

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1979年発売のシチズンのクオーツ時計、クリストロンの4メガ、Cal.7370Dです。一見昭和感漂う普通の時計ですが、40年前に年差±5秒というクオーツ時計の最高レベルの精度を実現した、極めて高精度な時計です。(現行グランドセイコーの「常識を覆した世界最高峰の性能を誇ります。」と謳う9Fクオーツムーブメントでも現状年差±10秒です。)
この時計のベースとなるのは 1975年に発売された世界初=世界一の超高精度の年差±3秒を誇ったこちらのモデル(Cal.8650A)で、なんと全て18金無垢外装で当時450万円もしました。この年差±3秒の気合の入りまくった金無垢モデルの年差レベルを±3秒から±5秒まで少し下げ低消費電流化を図り、バッテリー寿命を2倍の2年まで延長、外装のステン化等をし、年差レベルの超高精度時計を4年の歳月を経て普及価格帯の8万円まで下げたのが今回ご紹介するCal.7370Dです。
(このモデル、ヤフオク等では4MEGAというだけで年差±3秒と説明されている事が多いのですが、このステン外装の4メガ(Cal.7370D)は年差±5秒です。また金無垢モデルCal.8650A発売の翌年1976年に同、年差±3秒でミラドールケース(ステンに窒化チタンを施した金メッキの5倍の耐食性のあるシチズン独自の外装)のCal.8650Bが23万円で発売されてますので、このCal.7370Dはシチズンの年差モデルの3rd.モデルになります。)

下は金無垢モデルCal.8650Aの当時のカタログの画像と。「シチズン」でなく「日本」の誇り、「人類永遠のあこがれ」、「黄金に託した」、すごいキャッチコピーです。

普及価格帯のモデルとはいえ、年差±5秒は当時のセイコーでの最高精度の1978年発売のスーペリアツインクオーツ(Cal No.9983)当時230,000円と同じです。セイコーの年差レベルのモデルはディティールをかなりゴージャスにしているものが多いのですが、シチズンのこのモデルのディティールは至ってシンプルで、外観上唯一の自己主張である超高振動数の4MEGAの表記なんて、CRYSTRONの印刷のついでに一緒に印刷されているだけです^ ^

そんな表記と同様、自己主張の控えめな本体デザインではあるのですが、シンプルながらもソリッド感のある、とても端正にまとまったケースデザインです。

無駄なディティールの一切無い、非常に整った潔い形です。

視認性の良い粒状感のあるマットホワイトな文字板です。

裏蓋には電池蓋の他に時間調整用の外部ネジ(左)と64Hzテスト端子用の外部ネジ(右)がありますが、、、

この時計の電池交換についての解説には「この時計はケースに電池ブタと外部ネジ2個がついているが、外部ネジは絶対にさわってはならない。」とあります。また、他の注意書きとして「ケーシング後の精度についても厳しく管理してあるので、市場では絶対に電池ブタ以外は ケース(調整用ネジを含む)をあけてはならない。」ともあります。年差レベルの時計はケーシング後の調整もかなり厳しく行っていたのでしょうね。

屋外で撮影すると平滑な鏡面外装に青空が綺麗に反射します。

最後にインスタにアップした画像を。「極めて高精度」なのに、「極めて何もしていない」というのが良いですね。(何もしていないと言うのは語弊がありますね。装飾的なディティールを一切加味せず、極めてシンプルな基本造形の吟味で勝負している、といった感じでしょうか。)

1975年の世界初の年差±3秒の発表から45年が経った2018年の創業100周年に、シチズンは年差±1秒の時計のプロトタイプを発表し、翌2019年には腕時計で年差±1秒のCal.0100を搭載したモデルThe CITIZENを発売しています。シチズンの腕時計の精度追求は今もなお続いています。

『電波塔や人工衛星から時刻情報を受信することなく、時計内部の機構だけで、自律的に正確な時を刻み続ける。それは、水晶のように、純粋で、混じりけのない、研ぎ澄まされた“純度の高い1秒”を秒針が刻み続けるということ。
何ものにも頼らず、どこにいても、どんな状況でも、強い意志を持ち続ける人のように、自らのリズムで正確に刻み続ける時計であるということ。
「Calibre 0100」から、シチズンが切り拓く、腕時計の新しい100年がはじまります。』
(シチズンの100周年のサイトから抜粋)

良いですねー。日本では、セイコーが1913年に日本初の腕時計「ローレル」を発売してから既に107年経っている訳ですが(シチズン初の腕時計は1931年で89年経過)、更に100年後の腕時計ってどんなになってるんでしょうね?腕時計の存在自体怪しい気もしないでもないですが、ウエアラブルデバイスの装着位置として、「手首」は不動の最高のポジションかとは思いますので、何かしらは腕に巻いてる気はします。ので、シチズンさんにはこれからもずっと頑張っていって欲しいものです。・・・以上、シチズンのクリストロン4メガのご紹介でした。(2020.6.21.)

2021.11.29. 追記・・・バッテリー交換をしたので、その様子をアップします。電池蓋を指標に合わせる様に90度ほどコインで左に回転させると蓋が外れます。バッテリーはSR43SWでした。

 電磁テンプ等と違い、簡単ですね。電池交換も済んでまた元気に動き出しました。

以上、簡単ですが、電池交換をした時の様子の追記でした。(2021.11.29.)

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