FORD HEUER / Split-Lap-Unit 77

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フォードの1977年製造の液晶デジタル時計です。上の液晶が1/100秒クロノグラフ、下の液晶が現在時刻を表示しています。フォードのブランドロゴが上の液晶内で表示されており、ホイヤーブランドの表記はありませんが、実際制作したのはホイヤーです。私の所有物は入手時は全て正常に表示していたのですが、現状下の画像の様に上の液晶が真っ黒く死んでしまいました。(下の液晶は電池切れで未点灯な状態です。)ので、上の正面からの画像は生きていた時に撮影した液晶部を合成した画像になります。

本体はくの字に折れ曲がり、前面下部には特徴的なバッテリー蓋が2つ鎮座しています。時計前面に電池蓋がある時計ってのも珍しいですね。と言いますか他に見たことありません。
ちなみに操作方法は、右上のボタンでクロノのスタート、ストップ(ボタンを押すたびにフォードのマークが一瞬消えます。)、右中央のボタンを押すとその時の1/100秒を表示します。下の液晶は通常は時(24時間表示)、分を表示しており、右一番下のボタンを押すごとに、日、月から分、秒表示と切り替わります。左上のボタンはクロノグラフのリセット、ラップの操作、左中央はライト点灯用、左下は時刻修正用のボタンです。

側面から。このくらい折れ曲がってます。縦長に大きい時計ですが、この折れ曲りのおかげで意外と腕に馴染みます。

背面。フォードのマークの下にこの時計の名称Split-Lap-Unit 77(なんとも製品名らしくない名称なのですが、取説の表紙にもこう書かれているので、おそらくこれが製品名かと思われます。)の表記があり、その下には Ford RS-Designとあります。いろいろググってみたのですが、どうも有用な情報を得られません。The Ford Split Lap Unit 77 chronograph was designed by Ford Rallye Sport (RS) (Germany) と記載しているページもありますが、、、詳細不明です。すみません。また同背面には謎のマイナスビスもありますが、時刻の緩急調整用ですかね?

バックル部にもフォードのマークがあります。

Pieter Doensenさんの本にも他のホイヤーの兄弟モデルと一緒に掲載されています。このモデルのモジュール名はCal.103の様です。(LEDとLCDのCHRONOSPLITはCal.100)

で、前面の電池蓋を開ける為の専用のこんな工具が付属されています。扇型のステンの板製で、電池蓋の2つの穴に入る突起があります。表面にはフォードロゴと使用するバッテリーの記載があります。

久しぶりに電池交換。この様にして使います。開ける時は開けやすいのですが、閉める時は2点だとぐらついてやりにくいです。

両方開けた状態。バッテリーはSR41Wです。大分奥まったところに電池があるので、電池蓋裏にはスペーサーの様な丸いゴムシートが貼ってあります。

しかし、バッテリー交換をしても下の液晶は点灯してくれませんでした。照明は点灯する(上下いっぺんに2つ点灯するのが新鮮です)ので通電はしているのですが・・・また挿入したバッテリーをいじってると一瞬点灯したりもするので、接点の掃除とか角度具合とかいろいろ調整してみたのですが、どうもダメそうです。残念。。

という訳で上の液晶に続き下の液晶もだめっぽいのが分かったら躊躇なくバラす決心がつきましたw
まずは裏蓋の6つのネジを外し、

前カバーオープン。入手以来、初めて見ました。

透明前カバーにしてもカッコ良さそうです。

この状態でも照明だけは点灯します。

前カバー裏面。全周に平たいパッキンのゴムがあります。

で、基板も丸ごと取り出せました。バッテリーにはプラスチックの枠があり、片方だけバッテリーと一緒に基板から外れました。もう片方は基板にくっついて外れませんでした。

基板と前カバー。とても腕時計のパーツには見えませんw

基板拡大。

基板裏面。透明プラスチックシートで覆われてます。裏蓋にあったマイナスビス位置に相当する部分の透明シートには穴が空いており、そこには可変抵抗(?)追記:twitter経由で情報を頂きました。これは水晶の発振周波数を微調整するトリマコンデンサだろうとのことです。 Thanks: Xenoさん)がありました。

2つの基板がはんだ付けされた接点を介してくの字に連結されています。

基板を出した後の本体。非常にソリッドは感じでカッコイイです。裏蓋のネジ部はこんな風に顔を出していたのですが、こんなで基板のトリマコンデンサー回せるのでしょうか?

一通りばらして気が済んだので、組み直し。なんとか液晶を復活させたいですね・・・液晶点灯させるだけなら中身全部出し、安いモジュールを入れてしまうというのもありますが。。

で、他の時計とのツーショットを2つほど。折れ曲がった時計といえばまずはこれ。B&Oの腕リモ。(こちらでご紹介しています。)

折れ曲り時計、アナログとデジタル。

長方形に丸、というモチーフ的にも似てます。

B&Oの時計が小さく見えます。折れ曲がった時計と言えばVENTURAもみんな折れ曲がってますねw

次は同ホイヤーの兄弟モデル、CHRONOSPLITと。(こちらでご紹介してます。)CHRONOSPLITにはフェラーリ別注モデルがあり、そのモデルだったらこのツーショットは映画『フォードvsフェラーリ』の様でしたね。

全てにおいて非常に対照的なデザインです。

CHRONOSPLITには上下液晶モデルがあり、今回のフォードのモデルはレイアウト的に見ると、そのモデルの液晶モジュールの上下を入れ替え、バッテリーが前面にくる様に基板の表裏をひっくり返して作ったのではないでしょうか。

以上、非常に珍しいのですが、残念ながら液晶が死んでしまっているフォードの2面デジタル時計のご紹介でした。(時間を見て少なくとも下側の液晶の復活を試みてみます。バッテリー接点などをもう一回見直してみて、それでもだめだったら安いデジタルモジュールを入れてしまう等、検討てみます。もしくは、下のアディダスのモデルを移植するか…!?)

2020.5.20. 追記・・・せっかくなのでフォトショでCHRONOSPLITをフェラーリ別注モデル化し、『フォードvsフェラーリ』な感じのツーショットにしてみました。

どちらもホイヤー製なので兄弟仲良くしてねって感じですが^ ^ こう見るとフェラーリバージョンの馬の印刷位置は左右揃ってないんですね。跳ね馬って感じの演出?? ていうかフェラーリのCI的に左側の逆向きの馬はありなんですかね?(上下とも液晶ディスプレイバージョンのCHRONOSPLITのフェラーリモデルは液晶の間に1つだけ左向きの馬がいます。)
当時1/100秒が測れるストップウォッチ内蔵時計はまだそう無く(他は1976年発売のオメガのクロノクオーツ位?)、正にモータースポーツ向きな時計であったとも言えるかと思います。

以上、フォードvsフェラーリな画像の追加でした。

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