1972年発売の世界初の液晶表示を使用したデジタル時計です。OPTEL製のDynamicScattering LCDモジュールを搭載しており、これはZODIACブランドですが同様のケースでSANDOZやAVIA、ELVIA、WALTHAM等のブランドからも発売されていました。
世界初の液晶表示はこの様に白黒反転で数字が白く周囲はミラー状になっています。ので、ミラー面に何かしら黒い面を反射させたり、手をかざす等、白い数字以外をブラックアウト化させないと非常に読みにくいです。(撮影はどれも黒い面を反射させたりして撮影しています。)
上のHOMEのページで使用した画像のケース部分は後でご紹介しますデッドストック筐体の画像を合成してて、実際のこのZODIACのモデルは下の画像の様にケースには多々傷があります。
:(コロン)は常に1秒ごとに点滅していますが、数字による秒表示はまだ無く、翌年の1973年にセイコーから世界初の秒表示もする液晶デジタル時計の06LCが発売されています。(当サイトでのご紹介はこちら)
右側面にはリューズがあり、上に回転しホールドで時、下に回転、ホールドで分を修正します。修正はリューズをじっとホールドしていると、にょっにょっと数字が上がっていき、分の修正はかなり時間がかかります。
シンプルなスクエアケースは結構重量感があります。サイズは実測で左右(リューズ除く)38.4mm、上下47.6mm程ありました。
背面には圧入のみの電池蓋があります。バッテリーはSR43Wです。
裏蓋、というより後ろカバーを開けた状態。モジュールは全て後ろカバーに固定されており、これにフロントカバーをバコッととはめ込む感じです。リューズの抜き方がわからなかったのでこれ以上はばらせませんでした。
拡大。かなり手作りな感じです。手書きの文字とかありますし。
で、こちらが不動ながらケースはほぼデッドストック状態のものです。ヘアーラインも綺麗に残っています。
裏蓋にはDATAKING EPSA-OPTEL ALL STAINLESS STEELの表記がありますが、メーカーは不明です。電池蓋には傷防止の紫色のフィルムが残っています。
両方並べて。印刷表記以外は全く同じです。
腕に巻いた状態。でかいですね。
Pieter Doensenさんの本には窓の形状が四角いELVIAのモデルが掲載されています。
HOROLOVOX (Mitch Greenblatt) さんの本「Retro Watches」には後に変更された、液晶表示が反転していない、いわゆる普通の液晶表示になったモデルが掲載されています。
最後に、こちらのページでは同液晶モジュールを使用しながらケースデザインの異なるモデルをご紹介していますので、宜しければご覧頂ければと思います。
以上、ゾディアックの世界初の液晶デジタル時計のご紹介でした。(2021.3.27.)