腕時計のボタン電池の膨張について

以前にこちらでご紹介しました、セイコー製の70年代のデジタル時計0138-5020の画面がいつの間にか下の画像の様になってしまってました。(とは言いつつ撮影し忘れたので、下の画像はフォトショでのイメージ画像です。)液晶は点灯しているものの、7セグの表示があちこち欠けて、画面中央が黒っぽくなるという、仮死状態です。ビンテージデジタル時計はある時突然死にますので、ドナーを確保しておくなどしているのですが、この時計のドナーは保有していませんでした。ので、ドナーを探すかなーと思いつつ、1ヶ月程この状態で放置していたのですが、本日とりあえずダメ元でバッテリー交換を試みてみました。

で、かなーり硬く閉まっていた電池蓋を開けたら、電池蓋が弾ける様に開き、なんと下の画像の様に膨張したバッテリーが出てきました。

拡大。かなーり膨張しています。膨張というより既に破裂した状態ですかね?バッテリー外装の継ぎ目からスライムの様な怪しい物体がはみ出てきています。しかしこのはみ出ているスライム部は柔らかいかと思いきや、爪で押してもカチカチで、バッテリーはこの状態で固まっており、よくこの状態で時計内に収まっていたものです。(注意:こういった内部から出たものや液漏れで出てきた電解液は絶対素手では触らない様にしましょう。触った手で目をこするなどすると失明の危険性もある様です。)液晶の表示の欠け、黒ずみの原因はきっとこの膨張バッテリーが液晶裏面から物理的にぐいぐい押し上げていたからかと思われます。

同バッテリー反対面。CHNとあるので中国製かと思われます。このバッテリーは私がこの時計を入手した時から入っていたものなのですが、やはり中華なバッテリーはダメですね。安いからとこういった安価なバッテリーを使用すると、液漏れで電池接点を汚すレベルでなく、時計自体を破損する恐れがあるので、やめましょう。
で、1ヶ月近くかなりの圧でぐいぐい押されていた液晶画面は流石にもう死んでしまったかな、、、と思いつつ、とりあえず新品のバッテリーSR1130Wを入れてみました。

すると、なんと何事も無かったかの様に生き返りました。良かった。。セイコー製デジタルモジュール強い!逆に言うと、オク等でジャンク扱いで安く出ている、液晶面の中央あたりが黒ずみ、7セグの欠けのあるものは、膨張したバッテリーによるもので、バッテリー交換で生き返る可能性もある、ということが分かりました。

スマホ等のバッテリー膨張による破損や爆発、怪我などは時々話題になりますが、腕時計でバッテリー原因の爆発は私は聞いたことがありません。(スマートウオッチ以外では電池がリチウムイオンでなく、ほとんどが小さいコインバッテリーで破裂しても今回の私の案件程度、時計の外装もステンで頑丈に覆われているから、というのもありますかね? あ、Apple Watchではリチウムイオンバッテリー膨張によるガラス面の浮きや爆発はありましたね。)腕時計の場合は切れた電池を入れっぱにする過放電による液漏れはビンテージデジタル等では良く見るのですが、今回の様な膨張やそれに伴う破損、怪我の可能性もゼロではありませんので、皆様は安くて謎な中華なバッテリーは決して使用せずに、信頼できるメーカーのバッテリーを使用する様にしましょう。数百円ケチることにより大事な腕時計を壊したくありませんしね。・・・以上、初めて遭遇した腕時計のバッテリー膨張についてのアップでした。(2024.6.2.)

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