1976年発売の世界初の太陽電池式のアナログクオーツ時計のシチズンのクリストロン・ソーラーセルです。当時の価格は45,000円でした。文字板には単結晶シリコン太陽電池を8枚を配置してあり、余白部分に時計としてのグラフィックを入れ込んでます。針が若干短めに感じるのですが、ソーラーセルの影になる部分を極力少なくする為の配慮ですかね?
広大なソーラーセルを配しながらもとても上手にまとめ上げていると思います。ベゼルの上下面をくの字のテーパー面でカットしてるのもオリジナルでカッコイイです。文字板は他に黒文字板バージョンもありました。この時計は2019年に独立行政法人国立科学博物館が選定する重要科学技術史資料である未来技術遺産に登録されています。(シチズンのサイトでのニュースはこちら。)
背面はバッテリー部が突出しています。
入手時に初めて裏蓋を開けた時の画像。ほぼデッドストック状態での入手でしたが、バッテリーはかなりやばめでした。バッテリーは普通のSR43SWを使用しており、充電池というわけでもないのですが、CITIZENのキセキのこちらのページには「世界初の太陽電池充電式のアナログクオーツ(水晶)式腕時計。文字板に単結晶シリコン太陽電池を8枚を配置し、銀電池を二次電池として充電する方式です。」とあり、実際ソーラーセルの光発電により得られた電力を駆動にどう使用していたのか?よく分かりません。。
シチズンは後にこの独自の光発電技術を「エコ・ドライブ」と名付け、以来、シチズン のコア技術として同シリーズの商品展開を行っています。1996年には同シリーズは腕時計として初めて「エコマーク商品」に認定され、2014年には時計業界で初めて「エコマークアワード 金賞」を受賞した様です。シチズン のこちらのサイトにはその辺りが紹介されていますが、このページを見て初めて知ったのですが、最近はソーラーセルを文字板面でなく、円周状の縦壁に配したモデルもあったのですね。知りませんでした。
・・・以上、簡単ですが世界初のソーラー時計、シチズンのクリストロンソーラーセルのご紹介でした。
2021.2.12. 追記・・・久しぶりに出して腕に巻いたついでに、画像が少なめだったので再び撮影しました。正面から。
ちょっと横向き。やっぱカッコイイですね。
腕に巻いた状態。ベゼル、ソーラーセル共にキラッキラしてます。
屋外での撮影。鏡面ベゼルが周囲をきれいに反射します。
ちなみに現在この時計は2本所有しています。どちらもほぼデッドストック状態ですが、右のメッシュベルトはオリジナルではありません。
以上、再び撮影した画像の追記でした。