スイスのTEVIOTの1970年代のメカデジです。メカデジの中ではかなり異端児的な、このいっちゃってるデザインが全てな時計です。機械は17石の自動巻きでメカデジにしてはまともな機械を使用しています。
逆台形の窓の中、下端ギリギリ収まっている時刻表示、そのオフセット具合を視覚的に緩和する時刻表示部周りの大きなテーパー面、無理やり独立した窓を作り表示している日にち表示等、内部構成上のレイアウト制限の中、なんとしても窓を上下に分け、可能な限りの異端なデザインを試みています。
逆さにして見た状態。時刻表示の分の窓はギリギリ台形の窓内に収まっている感じです。日にちの円盤は時刻の円盤よりも奥にある為、日にちの窓はかなり深い穴になってます。
ベルトは専用でかなりいい感じなのですが、ストレートなベルトに対してケースの受ける側の形状がベルトに合ってなく、この様にかなり隙間が開いてます。
背面です。専用ベルトはマイナスビスで固定する様になっています。
と、このデザイン自体はとても良いのですが、、、前面上下左右のヘアーラインのテーパー面の機械加工がどうもちゃんと出来ておらず、下図、青い線のエッジの角度が左右対称になっていない、赤い線の窓とケースのエッジが並行に走っていない、オレンジ丸部のテーパー面のエッジと窓があまりに接近しすぎ、特に下の窓部ではエッジと窓がぶつかってしまっている等、ディティール的にイマイチで、真正面から見るとどうも歪んで見えます。
で、HOLOROVOXさんの本に掲載されている同モデルの画像との比較をしてみたのですが、なんと私が上記で指摘したイマイチなディティールの部分がほとんどちゃんとした形になっています。窓とテーパーのエッジも私の程近接しておらず、かなりきちんと仕上がっている様です。
HaKuさん所有のものの画像です。こちらもディティールはちゃんとしている様です。私の所有物だけどうもかなり適当に作られたものの様ですw (フロントカバーはステンではないのでオーバーホール時に傷削除の為に後から適当に切削されたという可能性は低そうです。)
と、ディティールの出来のイマイチさを記載してはきましたが、「そんな細かいことはどうでもいいんだよ!」と言い放てる位のインパクトのあるデザインの時計かと思います。
以上、TEVIOTのメカデジのご紹介でした。
2020.8.10. 追記・・・HaKuさんから更に画像を頂きました。ありがとうございます。やはり大分テーパー面の取り方が違う様ですね。
正面から比較。特に上下のテーパー面の取り方が円弧でなくストレートな面の取り方になっていて、下の面取りは日付けの窓に干渉していません。またヘアーライン面の外の鏡面の面取りの幅も違う様ですね。
以上、HaKuさんから頂いた画像の追加でした。