今回はトランスフォーマー系腕時計の原型となるロボ時計のファーストモデルと、その血統をどういう訳だか他社で引き継いでしまった現代版ロボ時計のバンブルビーをご紹介します。
まずは左の金色のロボ時計、こちらはタカラから1980年代初頭に発売されたミクロマンのミクロチェンジシリーズのウオッチロボです。変形腕時計のシリーズではなく、下の取説の画像にある様に、時計だけでなくラジカセやカメラ、拳銃、顕微鏡など、ちゃんと機能するものたちがロボに変形するミクロチェンジシリーズのうちの1つでした。取説には「ミクロチェンジとは、いつも身近な物に姿を変えているが、ぼくたちがピンチになるとテレパシーを受けてたすけに来てくれる、ミクロマンの仲間たちである。」とあります。このシリーズは後にアメリカのハズブロが業務提携しTRANSFORMERSとして発売し大人気となり、現在に至りますので、このロボ時計はトランスフォーマーの腕時計版の原型になるモデルかと思われます。
ミクロチェンジシリーズはどれも通常は他の物に擬態して身を隠していますので、ロボなディティールは一切出さない佇まいをしています。
で、その後、ミクロチェンジシリーズからこのウオッチロボのみスピンオフし、腕時計をベースとした変形ロボシリーズの「Watch-Q」として展開される様になりました。(タカラとしてはチョロQの腕時計版といったところでしょうか)下の画像は以前にご紹介した電卓ロボのパッケージです。Watch-Qシリーズが全て紹介されていますが、ここの左上に、名前もそのままにこのウオッチロボが存在しています。そしてこのWatch-Qシリーズもこちらのモデルの様に海外展開ではトランスフォーマーシリーズの腕時計版として販売されるに至ってます。
このウオッチロボ、時計からロボへの変形も簡単な構造ながらよく出来ており(特に足の格納具合)、当時から様々な模倣品が販売されました。(以前にご紹介したこちらのロボ時計とか)で、現在でもしぶとく模倣品は製造、販売されており、下の様にパチ時計を多々発売している中国のメーカーSKMEIからもいまだに発売されています。
そこで、このバンブルビー時計。2018年のトランスフォーマーTHE LAST KNIGHTの時のものなのですが、、、このディティールから察するに、上記のパチロボ時計を出してるSKMEIに作らせている様です。(もしかするとSKMEIのさらなるパチの可能性もありますが。。)何故に本家のタカラトミーでなく、SKMEIが作っているのでしょう?格安で作るには中華なメーカーで、ということでしょうか。。ハズブロ社がトランスフォーマーの時計を作るにあたりSKMEIに依頼したが、このオリジンナルは本家のタカラにあったということを知らなかったのでしょうか??謎です。
しかもディティール違いでこんなモデルもありました。
ということで、以下にトランスフォーマー時計の元祖であるタカラの変形ロボのファーストモデルのウオッチロボと、その流れを汲む(しかし作ったのは何故かSKMEIの)現代版変形ロボ時計のバンブルビー、それぞれのディティールをご紹介します。
まずはウオッチロボ。外装は金メッキされた金属で重量感があります。
背面。TAKARA JAPANの刻印があります。
左右のボタンを押して本体を外した状態。
足を引き出し、
腕の背面のつまみをスライドさせ手を出し、
頭をぐるっと180度回転させて、
トランスフォーム完了。当時この足の折り畳みを発明した方はすごいですね。
手に取った状態。
立たせた状態。
斜視。メッキはかなり劣化してきています。
顔はシルバーに塗装されています。
背面。ベルト部に固定する為のリブが突出しています。
バッテリー交換時の画像。バッテリーは392を1個使用。ちゃんと電池蓋があります。
パッケージです。ロボのロがデジタル時計のセブンセグメントの形をしています。
背面。カラバリもありました。
パッケージを開けた状態。
カラーの贅沢な取説です。
裏面。丁寧にベルトの巻き方まで説明しています。
続きましてバンブルビー。
ロボであることがバレバレなディティールです。と言いますか、時計にトランスフォームする気はさらさらなさそうな(それで良いのか、トランスフォーマー!)、ここに収まる為にちょいと足を畳んだよ、位な感じです。
全体像。ベルトには派手にバンブルビーが印刷されています。
本体を外した状態。
ウオッチロボ同様に足を出すのですが、回転方向は逆でヒンジは1つだけで簡単な広げ具合です。
手も同様に押し出して変形完了。
立たせた状態。
反対から。
背面。やはりベルト部に固定する為のリブが突出しています。
全体的にパキパキな造形なのに、顔だけ妙にリアルです。
もうちょっと拡大。
2本並べて。バンブルビーの方が少し大きいです。
ロボ状態。特撮とアニメ、な感じもします。
立たせると2関節ある足の分、ウオッチロボの方が背が高いです。
斜視。本来同系列なロボ同志なのに、何故に他社。。
バンブルビー「先輩、体硬いっすねー、こうっすよ、こう!」ウオッチロボ「むむ、、、こ、こうか?てか、なんでおまえタカラトミーに居ないん??」
以上、トランスフォーマーな腕時計、最初と最後(?)の2モデルのご紹介でした。やはりタカラトミーには台座でなく時計本体が変形するトランスフォーマー時計を期待したいですね。(2021.11.12.)