リコーの1970年代の自動巻きの時計のオートデラックス8です。同時期、先行するセイコーの「5」、シチズンの「7」の更に先を行く!と言うなのら「9」にしそうなものを、奇数しばりで数を増やすのはあまりにあからさまだからか、恐れ多かったのか、ちょい控えめに「8」にしてたり、デザインのアイディアが尽きたのか、9時の水平インデックスバーと6時12時の垂直インデックスバーを試しにちょっと入れ替えてみたら、いつの間にかそのまま製品になっちゃったよ、どうすんのよ的なインデックスバーとか、6時位置にどかーんとある曜日表示の巨大な「月っ!」の昭和感、そしてリコー製・・・それら全ての「ちょっとイケてない感」が上手い事マージしあって、結果、とても愛でたくなる時計に仕上がっています。(と思うのは私だけですかね? あ、基本リコーの時計は好きです。)
ケースはラグも太く風防も厚めで意外とごついです。オートデラックス8はデザインのバリエーションが結構あるのですが、これとほぼ同じでインデックスバーがちゃんとしたモデルもあります。
8にした理由をwebで検索してみると、「セイコー の5を意識したものです」、「リコーのムーブメント呼称で『日付+曜日付き』を表す8にちなんでいます。」(日付け1+曜日7ってこと?)、「8つの機能ということでは無く、セイコーとシチズンを超えるように数字を当てただけと言われています。 」等あり、真相は判りません。オートマで日付け曜日の独立表示、21石で30m防水、はスペック的には当時のセイコー 、シチズンを特に超えていたとは思えませんが、33石の時計を出したのはリコーが初だったかと思います。
しかし文字板が結構反射し撮影し難い時計です。反射を防ぐ様に撮影すると白くぺたーっとしてしまいますし。。
スナップオン式の裏蓋の中央にはRICOHのRの刻印があります。
腕に巻いた状態。12、6、9のインデックスバーから漂う「謎感」がよいです。
日にちの窓はよく見たら内側が狭くなった台形をしていました。で、この時計、日にちの合わせは20時〜1時位を往復すると進められ(この時曜日は進まない)、曜日の合わせははひたすらリューズを回し24時間で1つ進める合わせ方になります。
以上、久しぶりに入手した国産3針時計のリコーのオートデラックス8のご紹介でした。