定期的に送られてくるパーツを組み上げていくことで全高75cmもの巨大なマジンガーZが完成する、アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社の「鉄(くろがね)の城 マジンガーZ 巨大メタル・ギミックモデルをつくる」(こちら)のプレミアム定期購読者へのプレゼントとして制作された、兜甲児の腕時計です。オリジナルは通信中に左のLEDが点滅しているのですが、上のgifアニメの様に、このモデルにも側面の小さいボタンを押すとLEDが発光するギミックが搭載されています。
左右に大きく張り出したケース、六角形の文字板と赤メタリックな大きいZの文字、意外とかわいいインデックスの形状、がつんと重厚なオリジナルベルト等々、、、かなりインパクトのある時計です。
側面のボタンを押してLEDを光らせた状態。かなり明るく光ります。ボタンはかなり小さめなので爪で押します。
反対側面から。手に取るとずしりとくる重さで、計測したら138gありました。本体は裏蓋も含めて全て金属のダイキャスト製という贅沢な作りです。オメガのMEGAQUARTZが144gなので、それより少し軽い感じです。
置いた状態で。重厚でカッコイイです。
反対側面から。ベルトは全て側面から圧入するピンで固定されています。
全体像。予備のベルトのコマも1つ付いていました。
早速ベルト長さの調整。金属ブレスのコマはずしなんて久しぶりにやりました。(SWATCHのツールが役に立ちました。)3コマ外して丁度よくなりました。
腕に巻いた状態。ウルトラ警備隊のビデオシーバーといい、どうしてこう「腕に巻く通信手段」に憧れるのでしょうw
大きいものの、裏面は反った形状をしているので腕に馴染むのですが、なんとガラス面もそれに沿った湾曲形状をしています。
パッケージです。製品という訳ではないので、簡易的なパッケージです。
で、この時計の元となった作中に登場する兜甲児の時計は第60話の9:07あたりで登場します。(アマプラ・Dアニメストア等でご確認下さい。)作中では授業中に着信があり弓教授と通話し(その間は赤いLEDがずっと点滅)、授業中だろうが兜甲児は窓から「たーっ!」と飛び出していきます。
オリジナルの映像と見比べると、今回の時計はムーブやLED発光のギミックの為の基板を入れる為に厚みこそ増してはいますが、オリジナルをベースに形を整え「実用可能な腕時計」としてかなりいい感じにまとめ上げていると思います。(兜甲児の時計はこのデザイン以外にもいくつかバリエーションがありますので、是非そちらも探してみて下さい。)
下のYouTubeの動画では実際この時計のリデザインを担当された岩田幸勝様による解説があり「Zマークが誇らしい兜甲児の腕時計。こちらは大人の男性が装着し、実際に時計として使用できる想定でデザインしております。」と語られています。動画からもこの時計(と、もちろんマジンガーZ)に対する熱い思い入れが感じられ、とても良いですね^ ^
・・・プレミアムな腕時計として販売される訳でもなく、定期購読者への「プレゼント品」にここまでこだわって作られた岩田様、グッジョブ&ご苦労様です。
最後はこの時計のバラシをご紹介。まずは裏面。4本のビスで裏蓋が固定されています。
ビスを外し開けた状態。センターに時計のムーブ、その隣にLEDの基板がありました。LED用のバッテリーには黒いフェルトの様なものが貼ってありました。
基板を外して裏返した状態。右にLEDがあります。
スイッチを押し発光させた状態。右に転がっているのは点灯用のプッシュボタンです。
以上、マジンガーZ兜甲児の腕時計のご紹介でした。(しかし、マジンガーZ、今見ても面白いですね。ニーズに応えるべく徐々に機能アップして強くなっていくマジンガーZ、そもそも戦闘設備でない光子力研究所のいつもギリギリで応戦している感じ、時々ギャグかと思える様な機械獣のデザイン等、、、92話もあるので、かなり楽しめますのでオススメです。)(2021.12.28.)
2022.1.4.追記・・・オリジナルの兜甲児の腕時計の再現として、今回この時計をデザインされた岩田幸勝様から下記の様なご寄稿を頂きましたので、掲載致します。昨年末、私から岩田様にコンタクトさせて頂き、年末のお忙しい中、この様な素晴らしい寄稿を頂きました。この時計の開発エピソードや熱い思いが込められた貴重な内容になっています。是非ご一読下さい!(岩田様、ありがとうございました!!)
鉄(くろがね)の城 マジンガーZ 巨大メタル・ギミックモデルをつくる」 〜兜甲児の腕時計の開発について〜この時計をひとことで言うと『夢の実現』です。 子供の頃に憧れたものを、実存として作ることが私にとって大切でした。 大人になった今だからこそ、「デザイン」「質感」「重量」全て納得できるものをこの手にすることが可能なのではないかと考えていたからです。当初マジンガーZの大型模型の付属物には、兜甲児の腕時計を含めることは難しい、という意見もありました。 フルメタル製の時計にコストがかかりすぎることと、大型模型がメインの商材で腕時計を欲しがるコアファンがいるのか、というのが理由です。 しかし、「絶対に欲しい人がいるはずだ…!」という自分の気持ちを信じていました。マジンガーZの世界において当時の少年たちの中で、マジンガーZは憧れの巨大ロボットとして最も重要な位置付けなのは間違いありません。 しかし、同じように私が意識していたのは主人公の持つ腕時計だったのです。 ストーリーの中でも、光子力研究所といつでもどこでも繋がるインパクトは絶大でした。 昭和の当時、携帯電話など誰も持っていませんでした。時と場所を選ばずに外部と瞬時に連絡を取り合う手段は何もありません。しかし、あのレシーバーウォッチさえあれば、どんなにつまらない学校の授業中でも、呼び出されたらすぐに世界を救うヒーローになれる。大義名分を持って飛び出していけるのです!! 私自身も主人公が操るホバーパイルダーやバイクはもちろん身近に感じていましたが、バイクの免許すらないあの時の自分にはとても操縦は無理だという事実もわかっていました。でも時計なら…「あの時計さえあれば世界が変わるんだ」という気持ちは強くありました。 開発に関しては放送された時計のデザインパターンの中から、最も一般的なプロダクトデザインとして相応しい形をベースにして、実際に大人の男性が腕につけることを想定しバランスを調整、新しくデザインし直しました。特にフルダイキャストの重厚感と仕上げには気を使いましたし、腕にはめてあらゆる視点から眺めた時に見える微妙なカーブも意識しており、曲面には注意したつもりです。 劇中の物語がそうだったように、日常から突然の非日常への架け橋になる兜甲児の腕時計。 デザインオフィス・HANIWA STUDIO Twitter:制作の舞台裏 |
岩田様からのご寄稿は以上です。「日常から突然の非日常への架け橋になる兜甲児の腕時計」、良いですねー。通常は普通の高校生だけど、この時計が鳴った瞬間にマジンガーZの操縦者として非日常にスイッチする機能を持つ腕時計・・・私はこれまで様々な付加機能のある腕時計を所有してきましたが、時間を知る以外に腕時計に搭載される機能として「非日常にスイッチする機能」は最高レベルの付加機能かと思います。もちろんその機能自体はレプリカなのでこの時計にはありませんが、リアルタイム世代へ向けた「慌ただしいこの世の中で、身につけるたびに自分の中の「憧れ」を思い出させる」という機能は十分発揮しており、他の時計では持ち得ない機能を持つ、唯一無二の腕時計かと思います。
以上、この時計をデザインされた岩田様からのご寄稿のご紹介でした。